「エッセンシャル思考」書評
今回は、「エッセンシャル思考」のまとめをしていきます!
エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする【電子書籍】[ グレッグ・マキューン ] 価格:1,760円 |
皆さんは普段からどれだけ無駄を排除していますか?
本書では、とにかく、「より少なく、しかしより良く」あるべきだと述べられています。
では、自分的に大事だと感じた要点について書かせていただきたいと思います。
~目次~
①エッセンシャル思考の考え方
②具体的な行動の起こし方
③マインドの在り方
④まとめ
以上の目次の順に説明していきます。
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①エッセンシャル思考の考え方
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
賢く生きる者は、不要なものを排除する
「何もかもやらなくては」という考え方をやめて、断ることを覚えたとき、本当に重要な仕事をやり遂げることが可能となります。
「より少なく、しかしより良く」
エッセンシャル思考は、より多くのことをやり遂げる技術ではなく、正しいことをやり遂げる技術であるため、自分の時間とエネルギーを最も効果的に配分し、重要な仕事で最大の成果を上げることが大切です。
自分で優先順位を決めなければ他人の言いなりになることを意識してください。多くの優秀な人々が、自分にとって大事なことを見分けられなくなっています。それは、何でも引き受けるのがいいことで、断るのは悪いことのように思われているからです。
成功のパラドックス
1.目標をしっかり定め、成功へと一直線に進んでいく
2.成功した結果、「頼れる人」という評判を得る。その結果より多くの仕事を振られる
3.やることが増えすぎて、時間とエネルギーがどんどん拡散されていく。疲れるばかりですべてが中途半端になる
4.本当にやるべきことができなくなる。成功したせいで、自分を成功に導いてくれた方向性を見失ってしまう
規律なき拡大は失敗への道となり得ます。
では、人はなぜ方向性を見失うのでしょうか?
・選択肢が多すぎる
・他人の意見がうるさすぎる
・欲ばりの時代
だからこそ、自分に正直に生きましょう。ただし、それはわがままになることではありません。
不要なことを的確に見定め、排除することです。では、そのための整理法をご紹介します。
エッセンシャル思考のクローゼット整理法
1.評価する
いつか着る可能性があるか?「これをやったら他の何よりも重要な成果が得られるか?」
2.捨てる
「いるもの」と「いらないもの」に分ける。「もしこれを持っていたなかったら、今からお金を出して買うか」
3.実行する
日ごろからいらないものは、袋に入れ買い取ってもらう。意志の力を振り絞らなくて済むように行動を仕組化する。
自分で選ぶという最強の武器を手に入れ、選ぶ力を取り戻しましょう。
選択とは行動であり、与えられるものではなく、掴み取るものです。
選ぶ能力は誰にも奪えない。ただ、本人が手放してしまうだけです。また、正しく選ぶためには、その行為に自覚的でなくてはなりません。
例えばこのような事例があります。
犬を三つのグループに分けて行われた実験です。
a.電気ショックが与えられていないグループ
b.電気ショックが与えられ、それを止めるパネルがあったグループ
c.気ショックを与えられ、止める方法がないグループ
そしてしばらくした後に、a.b.c.それぞれの犬たちを、低い障壁で二つに仕切られた、一方の床にだけ電気ショックが発生する小部屋に連れてきました。
もともと電気ショックが与えられなかった犬のグループと、電気ショックを止めるパネルがあったグループの犬たちは、すぐに壁を飛び越えて部屋の反対側に逃げることを覚えました。しかし電気ショックを止める方法がなかったグル-プの犬たちは、壁を飛び越えようとすらしませんでした。
ここから言えることとして、一度無理だと経験したことは諦めてしまう傾向にあるということがわかります。これは、学習性無力感によるものです。
解決策は探そうとしなければ決して現れてはこないのです。変わる意思があって初めて変わることができるのです。
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②具体的な行動の起こし方
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○「大多数のものは無価値である」
努力の量が成果に比例するとは限らないため、「より少なく、しかしより良く」努力した方がよいと述べられています。
「重要な少数」は「瑣末な多数」に勝てる(パレートの法則)
「ほとんどのあらゆるものは、徹底的に無価値である」
多くをやらなくて済むように、多くを吟味することが大事です。そのうえで、トレードオフ(何かを選ぶことは、何かを捨てること)の考え方が肝になります。
戦略的ポジションは、別のポジションとのトレードオフなしには維持できないとあり、何かに「イエス」と言うことは、その他すべてに「ノー」ということであることを強く意識する必要があります。
みんなを優先するのは、誰も優先しないのと同じだとし、エッセンシャル思考の人は、トレードオフを当たり前の現実として受け入れています。
「何を諦めなくてはならないか」ではなく「何に全力を注ごうか?」と考え、普段から考えるためのスペースを作りましょう。集中するためには、集中せざるを得ない状況に自分を置くしかありません。そして、あらゆる事実には、本質が隠されています。
優れたジャーナリストは、情報の断片を調べ、それらの関係性を発見しています。要点に目を向ける訓練をすることで、これまで見えなったものが見えるようにしていきましょう。
ジャーナリストの目を手に入れるための方法を以下に示します。
ジャーナリストの目を手に入れるための方法
①日記をつける
日記は脳のバックアップ装置である 日々の小さな変化は見逃しやすいが、まとめてみると大きな違いに気付く
②現場を見る
自分の目で見ることで、より本質を知ることができる
③普通を知り、逸脱を探す
ストーリーの本質を知るためには、その話題を深く知っておくことである
④問題を明確にする
問題の本質を常に把握する
○内なる子供の声を聴く
遊びは、それ自体を目的とした行動であり、生きるために不可欠である
①選択肢を広げてくれる
②ストレスを軽減してくれる
③脳の高度な機能を活性化する
遊びこそが創造性と探求心の源であり、仕事と遊びの関係性を知ることが必要です。遊びは本質を探究するのに役立つだけでなく、それ自体がどこまでも本質的です。
○自分自身という資産を守る
体をでたらめに使うのではなく、戦略的に使わなければなりません。
本当に難しいのは、働きすぎないように制御することであるとされており、世界的なリーダーたちは1日に8時間の睡眠をとっています。
短時間睡眠で活動できる人は、単に疲労に慣れきっているだけです。
非エッセンシャル思考の人は、睡眠を一種の義務として捉えていることに対し、エッセンシャル思考の人は、睡眠を武器だと考え、自分の力を引き出すために活用しています。
あとで最高の成果を出すために、目の前の瑣末な仕事を切り捨てることを強く意識しましょう。
また、作業時間に関して、質を考慮せずに時間ばかりをだらだらと引き延ばす人が多いことが問題です。
たっぷり眠れば、生産性が上がり、創造性がアップして、病気のコストも減る。
現代人の最優先課題は、優先順位付けの能力をキープすることにあります。
○最も厳しい基準で決める
絶対に「イエス」だと言い切れないなら、それはすなわち「ノー」である
明確で厳しい基準があれば、誰でも不要な選択肢をシステマティックに却下し、重要な選択肢を選び取ることが可能になります。「これしかない」と思えることを選ぶことを心がけましょう。
○断固として上手に断る
勇気とは、プレッシャーに負けない品格のことだ
切り捨てる勇気がなければ、「より少なく」という言葉は空疎なお題目となってしまいます。
肝心なのは、肝心なことを肝心なままにしておくことである。
非エッセンシャルの人は周囲の期待やプレッシャーに負けて、不本意なイエスを言ってしまいます。
上手に断るためには、
①関係性から切り離す
②直接的でない表現を使う
③トレードオフに目を向ける
④誰もが何かを売り込んでいる
⑤好印象よりも、敬意を手に入れる
エッセンシャル思考の人は、みんなにいい顔をしようとしない。時には相手に機嫌を損ねても、きちんと上手にノーを言います。長期的に見れば、好印象よりも敬意の方が大切だと知っているためです。曖昧なイエスはただの迷惑であると認識し、ノーを言うことは、優秀な人の必須スキルであると捉えましょう。
○最悪の事態を想定する
世の中に確実なことはないから、何が起こってもあわてないように、あらかじめ備えておくべきです。非エッセンシャルの人は、条件に恵まれたケースを前提として予定を立てようとします。余裕を作るためのコツは以下になります。
・バッファ(余裕)を作るコツ
①徹底的に準備する
②見積もりは1.5倍で考える
私たちは当初の予定より遅れる傾向にある
③シナリオ・プランニングでリスクを軽減する
・どこにどんなリスクがあるか?
・どんなものや人が、どの程度の危険にさらされているか
・それらはどの程度傷つきやすいか
・そのリスクは個人や事業や国にとってどの程度の経済的負担となるか
・リスク軽減と経済・社会の回復力強化のために、どのような投資を行うべきか
○仕事を減らし、成果を増やす
仕事や日々の生活の中で、何が進みを妨げているかを考えましょう。その中で、全体の進捗を邪魔しているボトルネックの発見がカギとなります。
エッセンシャル思考の人は目の前に症状に惑わされず、どこが本当の問題なのかを見極めようとします。これは問題解決に限らず、最小限の努力で最大限の結果を得るための普遍的なやり方です。
○成果の生まない努力をやめる
エッセンシャル思考の人は、仕事を減らすことによって、より多くを生み出す
①目指すことを明確にする
最終的にどこへたどり着きたいか
②ボトルネックを特定する
目標達成を邪魔する要素はいくつもあると思うが、最優先で解決すべきことは一つだけ
③邪魔なものを取り除く
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③マインドの在り方
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○小さな一歩を積み重ねる
変化を起こそうとするとき、私たちは派手な目標を掲げがちです。
人間のモチベーションに対して最も効果的なのは「前に進んでいる」という感覚であるため、小さくても前進しているという手応えがあれば、未来の成功を信じることができます。
最初から高望みをしても途中で挫折したら何も残りません。
そのため、まずは少しずつでもいいから結果を出し、地道な成功を積み重ねた方がずっと生産的です。
以下の3つのことを心がけていきましょう。
①最小限の進歩を重ねる
「完璧を目指すよりまず終わらせろ」
②「早く小さく」始める
今すぐできる最小限の準備は何か
③進歩を目に見える形にする
本質的な行動を無意識化する
非エッセンシャル思考の人は、いざとなったら本気を出そうと考えています。一方で、エッセンシャル思考の人は重要なことをやり遂げるために、日ごろからの習慣にします。
○正しい習慣がクリエイティビティを生む
習慣は妨害に打ち勝つための最強の武器です。まずは習慣を形成することから始めることが非常に大事です。
習慣のメリット
①繰り返すことで神経細胞の結びつきが強まり、スムーズに思い出せるようになる
②一度脳に回路が作られると、それまで思考や判断に使っていた領域が別のことに使えるようになる
悪い癖を正しい癖に変える方法
・行動を引き起こすトリガーを知る。行動自体よりも、それを引き起こすトリガーに着目する。
・新しいトリガーを作る。
・難しいことから手を付ける。
・曜日ごとにやることを変える。
・習慣作りは一つずつ。
○「今、何が重要か」を考える
生は今この瞬間にある。今この瞬間をないがしろにする人は、日々を十分に生きることができない。
最高の力を発揮するためには、「今、この瞬間」だけを意識しなくてはなりません。過去や未来にとらわれてはいけないということです。
私たちの行動が何らかの力を持つのは今ここにおいてだけであるということを忘れないでください。昨日や明日ではなく、今この瞬間に何が大事かです。
エッセンシャル思考の敵はマルチタスクではなく、焦点を複数にあわせようとすること、すなわちマルチフォーカスだと述べられています。
頭の中に未来のことが詰まっていると、今この瞬間に集中できない。そのため、「今やるべきこと」、「今すぐ必要ではないけれど重要なこと」に分けることが大事です。
「本質的な目標のために余計なものを削ぎ落として生きる」
自分にできる範囲で、自分らしいやり方でやればいい。
エッセンシャル思考とは、人生に本当の意味を見出し、本当に重要なことを成し遂げることです。考え方が心の底までしみ込んだとき、それは自分を内側から変える力となることでしょう。
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④まとめ
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
いかがだったでしょうか。
本書では今回ご紹介した内容にとどまらず、多くの具体例なども挙げて、より分かりやすく説明されています。今回は、私的に大事な部分をピックアップしましたが、ぜひ皆さんもお時間あるときに読まれてみてはと思います。この記事が誰に少しでも役立てればなと思います。
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